婚約者はホスト!?③~夫婦の絆~
少し離れたパーキングまで、圭司に腕を掴まれたまま無言で歩いた。
車の前につくと、早く乗れというように圭司が手を放した。
助手席のドアを開け、私が急いで乗り込むと、圭司は黙って車を発進させた。
いつもより荒っぽい運転に、圭司の怒りがひしひしと伝わってくる。
「あの 圭司…。本当にごめんなさい…。酔っていたとはいえ、ホストクラブなんかに入ってしまって…。」
「あのさ そもそも なんで今日 そんなに飲んだんだよ。」
「それは…。」
圭司が取引先の女社長と食事に行く約束をしたって聞いて…
少しでも嫌な気持ちを紛らわそうとワインを飲んだら、思いのほか飲みすぎた…なんて言えない。
答えに困っている私を見て、圭司がまたひとつため息をついた。
「なつはさ、全然分かってないよな…。門限決めたり、飲むなって言ったり…俺が必死でなつのこと守ろうとしたって、本人がこれじゃな…
なつには危機感とかないわけ…?」
圭司が呆れた声で言った。
「危機感ならちゃんとあるよ…。」
「だったら 夏樹にキスされそうな状況で寝るか? ふつう…。眠くたってなんだって男を引っぱたいてでも逃げてこいよ! それとも 夏樹みたいないい男になら、キスくらいされてもいいと思った…?」
私はプルプルと顔を横に振った。