僕があの子を好きになっても良いですか?
「白羽くん!」
そう言って勢いよく病室の横開きの扉を開けると
白羽くんはぐったりした様子で横たわっていた
呼吸もかなり荒い
「白羽くん!大丈夫?」
綺麗な黒髪をどけておでこに触れると
かなり熱くて急いで手を離してしまった
白羽くんのお父さんは
『いつものことですから気にしないでください』って笑っていたけど
本人は凄く苦しそう
…免疫力が他の人より低いって言っていたけど
本当に病気とか持っていないのかな
「美夜ちゃん」
「あ!
松永(まつなが)先生じゃないですか!」
「滝川さんから聞いたよ
美夜ちゃんの知り合いだったみたいだね」
「クラスメイトなんです」
「そうかい」
松永先生は慣れた手つきでこなしていく
荒かった白羽くんの呼吸も次第に静かになっていく