僕があの子を好きになっても良いですか?
数分後
白羽くんはベッドで穏やかな寝息をたてていた
「良かった…
一時はどうなるかと思いましたよ」
「嘘つけ美夜ちゃん
キミはこういうのに慣れているはずだろう?」
「少しは慣れています
だけどやっぱりクラスメイトという身近な存在なので
慣れていることでも不安になっちゃいますね」
白羽くんはクラスでは大人しく
滅多に発言をしない無口な男子だ
休み時間はいつも本を読んでいて
特に親しい友達もいないみたいで
楽しそうに笑っている所など見たことがない
顔の半分を隠してしまいそうな長い黒髪に
分厚いレンズの黒縁眼鏡で
小さめの顔に似合わない大きなマスクをいつも
装着しているから
一部の女子からはヲタクではないかと思われている
男子だけでなく女子とも滅多に話したことのない白羽くんで
2年間同じクラスだと言う女子とも1回も話したことないんだって
それほど白羽くんは影が薄い存在
そんな物静かで影が薄いクラスメイト・白羽くんだけど
今日1日で色々なことが知れた