Uncontrolled(アンコントロールド)
「星名ちゃんって、どうしてそんなに可愛いの?」
からかうような口振りにさらに恥ずかしさは募っていくものの、ここで立て直さねばと、一度目をぎゅっと瞑る。
「かわいくなんて、……っ!!」
目を見開き、これまでの自分を振り切るように勢いまかせに開いた唇は、けれども続く言葉を発することができず震えている。
ふわりと、やわらかな熱が全身を覆っている。
自分の身に一体何が起きたのか理解できないまま、それは一段と熱さを増して、気付けば朝倉の力強い腕に抱きすくめられている。
自分の高鳴る心臓の音が、すぐ耳元で聞こえる。
朝倉に背後から抱き締められているのだと頭が理解すると同時に、鼓動が乱れたように速さを増していく。
「せん……ぱい……?」
緊張から強張る身体は息をするのもやっとのことで、苦しさから踠くように上ずる声が、張り付く喉からようやく出せた。
「こんな簡単に俺の理性壊してくれちゃって」
熱い吐息とともにいつもより色気を増した低音が耳元で響く。
どうしてこんな状況になっているのかまだ信じられずにいるというのに、鼓膜を震わせた欲情した雄の声に身体がきゅんきゅんと反応して今にも足元から崩れ落ちそうになる。
もしかして、と期待はした。
けれども、まさか本当に現実のものになるとは夢にも思っていなかった。
星名には恋人がいる。
それは朝倉だって知っていることだ。
だから何も起こらないなんて、どうして今まで思うことができていたのだろう。
朝倉の望む関係でいようと決めたのは、彼にとって星名は対象外なのだと昨晩態度でもって示されたからなのに。
からかうような口振りにさらに恥ずかしさは募っていくものの、ここで立て直さねばと、一度目をぎゅっと瞑る。
「かわいくなんて、……っ!!」
目を見開き、これまでの自分を振り切るように勢いまかせに開いた唇は、けれども続く言葉を発することができず震えている。
ふわりと、やわらかな熱が全身を覆っている。
自分の身に一体何が起きたのか理解できないまま、それは一段と熱さを増して、気付けば朝倉の力強い腕に抱きすくめられている。
自分の高鳴る心臓の音が、すぐ耳元で聞こえる。
朝倉に背後から抱き締められているのだと頭が理解すると同時に、鼓動が乱れたように速さを増していく。
「せん……ぱい……?」
緊張から強張る身体は息をするのもやっとのことで、苦しさから踠くように上ずる声が、張り付く喉からようやく出せた。
「こんな簡単に俺の理性壊してくれちゃって」
熱い吐息とともにいつもより色気を増した低音が耳元で響く。
どうしてこんな状況になっているのかまだ信じられずにいるというのに、鼓膜を震わせた欲情した雄の声に身体がきゅんきゅんと反応して今にも足元から崩れ落ちそうになる。
もしかして、と期待はした。
けれども、まさか本当に現実のものになるとは夢にも思っていなかった。
星名には恋人がいる。
それは朝倉だって知っていることだ。
だから何も起こらないなんて、どうして今まで思うことができていたのだろう。
朝倉の望む関係でいようと決めたのは、彼にとって星名は対象外なのだと昨晩態度でもって示されたからなのに。