Uncontrolled(アンコントロールド)

「星名ちゃんの方から催促?」

堪えるように眉間にくっと皺を寄せた朝倉の一瞬前まで穏やかだった瞳が、途端に不敵な笑みを浮かべる。
飢えた獣のような眼差しに、ぞくぞくと背筋を緊張感が走っては抜けていく。

ついに解き放った朝倉の男の色香は凄まじく、飲み込まれてしまいそうだ。

「あんっ、せん……ぱいっ」

重さのある熱くて硬いものがふてぶてしい存在感で星名のなかをめいっぱいに行き来する。
馴染むまでは息苦しさがあったものの、抽挿が繰り返されるうちに慣れてきて快感だけが身体を支配する。

「笙吾だよ。名前で呼んで、星名ちゃん」

唆すように髪を撫でられて朝倉が望むように呼んでみるも恥ずかしさが勝り、結局最後に‘先輩’と敬称をつけてしまう。
それでも彼は満足したようで、口元に満面の笑みを浮かべると、ご褒美のように濃厚なキスをして星名を翻弄する。
好き勝手されているようで嫌ではないのは、朝倉がその都度星名の機微を見ながら動いているからという事を気付けるほど余裕はない。
ふわふわと、ただただ気持ちよくて、ずっとこうしていたいと、朝倉の腕の中で目を閉じる。

溺れるだけ溺れて、星名が朝倉の部屋を出たのはそれから32時間後。日曜日の夕方だった。



< 51 / 59 >

この作品をシェア

pagetop