夏の恋は弾ける炭酸


私は馴れない浴衣や下駄で歩き続け、約束の5分前に、裕樹くんと約束した○○公園の入り口に着いた。

馴れない下駄を履いていたから、転びそうになったりもしたけど…。
町行く人は、皆浴衣や甚平を着ている。

カップルも多くなってきた時間帯だし、何だか恥ずかしいなぁ~。



「よっ!夏菜…」


「裕樹くん・・・」


手を挙げ、私の名前を呼んだ裕樹くんの声を聞いた私は、駆け足で裕樹くんの元に向かった。

裕樹くんは浴衣姿で、学校で見る制服の裕樹くんとはまるで別人。


更にカッコよくなっていた。
坊主頭だから、髪型のセットなんてないけど、本当に男らしい。


「夏菜、今日何か雰囲気違うな」


「そっかなぁ?
化粧してるからじゃない??」


裕樹くんは下をうつ向き、照れ隠しをしている。
頭を掻いた裕樹くんは、"綺麗だよ!"とそう言って、私の手を握ってきた。


私は裕樹くんにされるがまま、後を付いていく。


まるで夏は青春花火のように、ぷわっと、好きな人の横顔を花火の色で照らすんだろうなー…


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