やさしい眩暈
すこし照れくさそうに将来の話をするルイの目は、希望に満ちてきらきらと輝いているように見えて、私には眩しいくらいだった。


この瞳に映る自分が情けない姿にならないように、私もがんばらないといけないな、と思う。



「―――試験、受けようかな」



ルイの話を聞き終えた私は、無意識のうちにそう呟いていた。



「え? 試験?」



聞き返されて我に返る。


私は、ミサトさんから正社員登用の話をもらって、保留にしてあることを話した。



「そうだったんですか。でも、なんで保留に?」


「うーん………それは」



リヒトのためだったなんて、恥ずかしくて言えない。


自分の意志がなくて、情けない。



やっぱり、私なんかよりルイのほうがずっと大人だ。



「―――でも、ルイの話聞いて、考え直した。私もちゃんと自分の将来のこと考えなきゃね」



そう言った自分の言葉が、やっぱりドラマの台詞みたいで、照れくさい。


思わず笑ってしまうと、ルイが優しい微笑みで私を見つめていた。



「レイラさん、最近よく笑ってくれますね。嬉しいです。もっともっと笑顔見せてほしいな」


「うん………」



きっとそうなる。



ルイが私を変えてくれたから。


ルイと一緒にいたら、私はいつも笑っている気がするから。



「―――じゃあ、ずっと一緒にいてね、ルイ」









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