幸せの定義──君と僕の宝物──
それから3人は、ビールを飲みながら懐かしい思い出話に花を咲かせた。

「あんま変わんねぇな。」

「リュウだけはあの時と違って有名になっちゃったけどね。」

「ヒロさんのおかげだろ。オレを見つけてロンドンに行かないかって声掛けてくれたのはヒロさんなんだから。」

リュウは笑いながらさらりとそう言って、ビールを飲む。

「トモは元気か?」

「ん?ああ…元気だよ。連れて来ようと思ったんだけどさ、なんか用があるって。」

「そっか。会いたかったなぁ。」

リュウとアキラがトモの話をしているのを聞いて、ユキは首をかしげた。

「ね、トモって昔はあんな感じじゃなかったよね?ロンドンに行って何かあったの?」

「さぁな…。なんかだんだん変わってった感じだな。トモ、今はめちゃくちゃ酒強くてさ。同じペースで飲むとこっちがすぐにつぶれる。」

「へぇ…意外。ってか…トモさぁ、昔のリュウにちょっと似てない?」

「そうか?」

「うん。リュウはなんとなく丸くなった?トモに似たの?」

「オレも同じ事思った。」

思いがけないユキとアキラの言葉に、リュウは困惑した。

「なんだそれ…。兄弟でもねぇのに似るわけねぇだろ?」

リュウは自分でそう言っておきながら、トモと同じ女の子を好きになった事を思い出して、少しバツが悪そうな顔をした。

(似た者同士だって、ヒロさんにも言われた事あったな…。正反対だと思ってたのに、同じ女好きになるんだもんな…。)


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