幸せの定義──君と僕の宝物──
結局彼女は、今日の同窓会には顔を見せなかった。

一応出席の予定だったらしいのだが、今日になって急に仕事の都合で行けないと連絡があったらしい。

(ホントに都合つかなくて欠席なのか…?もしかして、オレが出席するって誰かから聞いて、来るのやめたとか…。)

昔の事を理由に彼女に避けられているのではないかと思い、リュウは顔をしかめた。

「そう言えば…リュウ、同窓会であの子と会えたのか?」

アキラに突然話を振られ、リュウは一瞬うろたえそうになった。

「え?」

「ホラ…昔話してたじゃん。」

「オマエ…よくそんな事覚えてんな…。」

リュウは当時、アキラにだけは彼女に片想いをしている事を話していた。

二人の会話を聞いたユキが、タバコに火をつけながらポツリと呟く。

「あー…もしかして、アユの事?」

「えっ?!」

彼女への想いを話した事などないはずのユキの口から、彼女の名前が飛び出した。

途端にリュウはうろたえる。

「なっ…なんだオマエ…。」

うろたえるリュウを見て、ユキはおかしそうに笑った。

「おっかしー。そんなにビックリしなくてもいいじゃん。リュウって子供の頃、アユの事ちょっと好きだったでしょ?ロンドンに行く前も仲良くしてたみたいだしさ。だから懐かしくて会いたかったのかなーって。」

「まぁ…そうだな…。」

(なんだ…焦った…。ユキは知らねぇんだな。実は大人になってからの方がもっと好きだったとか…。フラれたとか…。)

リュウはなんとか落ち着こうと、慌ててビールを煽る。


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