BLUE‐PRINCE
『僕は、その女子生徒がほかの生徒だったら……救えなかったかもしれない』
シンッと、体育館が、静まり返る。
不安げに僕を見ている朱架の姿が、目に入った。
彼女を見ながら言葉を紡ぐ。
『その生徒が、守りたい人じゃなかったら。きっと、僕は助けに行かなかった。平和に暮らすことを選んでいたと思う』
あの頃の僕は、ただ『平穏』を求めていて。
無関係の人のために自ら行くなんて、絶対にしなかっただろう。
『皆、僕のことをヒーローだとか言っていたけれど。全然違う。逆に、最低な腰抜けだ。……父さん、母さん、ごめん』
朱架から目を離して、遠くにいる両親を見た。
真面目な顔をして、見上げている2人。
真っ直ぐすぎるその瞳から……僕は、目を逸らした。
『そんな僕は、ここで話す権利なんてないです。だからこれで終わります。先生方、今まで迷惑かけてすいませんでした』
スタンドマイクを切り、そこから去ろうと歩き出すと。