BLUE‐PRINCE
「───葵!!」
低い声が響いて、誰かが立ち上がった。
ざわざわしだす体育館の…保護者席。
僕と同じ青い髪を揺らしたあの人は、真っ直ぐに僕を見ている。
「蓮央、座って!」
母さんが止めている。
それに構わず、父さんは声を張り上げた。
「葵、聞いてないぞ!!」
「・・・はい?」
「お前に好きな女がいるってこと、聞いてねぇ!!!」
……言ってないから当たり前。
言う必要はないかと思って、父さんには特に何も言っていない。
「全部話せ!でないと帰ってから大変な事になるぞ!!」
父さんの目は本気だ。
怖い。
このままでは、何をされるか分からない……
仕方なく、出していた足を引っ込めてまたスタンドマイクの電源を入れた。
とりあえず……座ってもらおう。
『……父さん、座って』
「あぁ?俺に指図するなんて1万年はぇーんだよ!」
ダメだ、手がつけられない。
こうなったら……
『母さん、お願い』
「はいはい。蓮央、座って!ね?」
母さんが言うと、父さんは仕方ないという顔で渋々座り込んだ。
あの父さんも、母さんにはめっぽう弱い。
一旦落ち着いたところで、朱架のことについて話す。
『父さん、僕には守りたい人がいる。父さんが母さんを命懸けで守ったように……僕にも、そんな人が出来たんだ』
もう、隠さない。
いや、隠しているつもりはないけれど。
全部……全部全部、話してしまおう。