BLUE‐PRINCE
唇を尖らせながら拗ねる朱架を何とかなだめていると、うしろからポンと肩を叩かれた。
振り向くと、そこには見覚えのある顔が。
「よぅ、さっきぶり」
金髪碧眼。
人のいい笑顔。
「あなたは、さっきの…」
「京也。俺の名前は京也だ」
「京也さんですか……」
にこやかに笑う京也さんは、僕の顔をまじまじと見つめた。
……?
何だろう。
「……やっぱ、似てるな」
ポツリと、切なげに呟かれた言葉。
なぜだろう。
京也さんは、僕ではなく…僕の影に、誰か違う人を見ている気がする。
「いや、目は咲誇似か…?懐かしいな」
『咲誇』?
今、母さんの名を呼んだ?
いや……この世界には『サキコ』という人はたくさんいるだろう。
人違い?
にしては、出来すぎてる。
京也さんは、もしかして、母さんのことを知っている?