逆転カップル~可愛い彼氏とイケメン彼女~
携帯が解禁されるとこうも違うものか。

やっと写真を求める人が途切れて



「樹は人気者だねえ」


「さすがにこんなにたくさんの人に頼まれると疲れる」


「きっとこれからの樹の活躍でまた増えるだろうね」



亜理紗は完全に他人事のように笑っていた。

いやまあ他人事なんだけれども…



「招集します。100m走に出る方は入場門へ集合してください」



とうとう自分の出る競技の一つ目の招集がかかる。

これでどうにか少しは休憩できるかな…
競技の招集が休憩ってどうなんだ…?



「いってらっしゃ~い」



亜理紗は客席に座りながらそう言った。


さて、自分の走る番が近づいてくる。
2組の他の出場者は2,3位になる人が多かった。

さて、出番だ。



『樹さーん!!頑張ってー!』


『一之瀬!!1位取れ!!!』



他クラスよりも応援がすごい。
更になぜか他クラスからも応援する声が聞こえるのが不思議だ。

自分のクラスを応援しろよとツッコみたくなる。


クラウチングの準備をする。
ピストルの音と共に思い切り走り出した。



『わあああああ』



歓声が湧き起こる。
結果は断トツの1位だった。


ちょっと本気出しすぎたかな…
< 28 / 72 >

この作品をシェア

pagetop