蒼いパフュームの雑音
結局私は最後までライブを観る事無く、ホールの外に出ていた。
売店でペットボトルの水を買って、傍にあったベンチに座った。
(大阪と同じ音がする。)
こもったステージの音と観客の声の渦。
あの時、緋色は近くに居たんだ。
あの香りにもう一度包まれたい。
気付けば緋色の事ばかり考えてる。
情けない。
かっこ悪い。
ズルイ。
そんな時だった。
下の階段から、上がって来る柊の姿があった。
隣には、腕に絡み付いた詩織が居た。
私は思わず、横の柱に隠れてしまった。
(何やってんだ、私。悪い事してないのに、隠れてどーすんのよ。)
2人は同じフロアにある関係者席へ消えて行った。
ぼーぜんと見ていると後ろから声を掛けられた。
「お。紅!おまえ何やってんだよ!」
声の主は要と七緒だった。
「あ、お疲れ様。いや、ライブ観に。」
「違うって!柊を野放しにするなよ!あいつ前に増してヤバイぞ!」
「そんな、野放しって。勝手に離れて行ったのは向こうだからね。」
「あ?どーゆーことだよ?」
「………別に、どーでもない。」
事を大きくしたくなかった。
詩織と柊がキスしていた事を、2人がホテルの部屋に入って行った事を、わざわざ陰口のように言いたくなかった。
「とりあえず、柊に連絡してあげてよ。紅ちゃん居ないと何か、色々とダメみたいだよ?」
七緒は壁に寄りかかって言った。
売店でペットボトルの水を買って、傍にあったベンチに座った。
(大阪と同じ音がする。)
こもったステージの音と観客の声の渦。
あの時、緋色は近くに居たんだ。
あの香りにもう一度包まれたい。
気付けば緋色の事ばかり考えてる。
情けない。
かっこ悪い。
ズルイ。
そんな時だった。
下の階段から、上がって来る柊の姿があった。
隣には、腕に絡み付いた詩織が居た。
私は思わず、横の柱に隠れてしまった。
(何やってんだ、私。悪い事してないのに、隠れてどーすんのよ。)
2人は同じフロアにある関係者席へ消えて行った。
ぼーぜんと見ていると後ろから声を掛けられた。
「お。紅!おまえ何やってんだよ!」
声の主は要と七緒だった。
「あ、お疲れ様。いや、ライブ観に。」
「違うって!柊を野放しにするなよ!あいつ前に増してヤバイぞ!」
「そんな、野放しって。勝手に離れて行ったのは向こうだからね。」
「あ?どーゆーことだよ?」
「………別に、どーでもない。」
事を大きくしたくなかった。
詩織と柊がキスしていた事を、2人がホテルの部屋に入って行った事を、わざわざ陰口のように言いたくなかった。
「とりあえず、柊に連絡してあげてよ。紅ちゃん居ないと何か、色々とダメみたいだよ?」
七緒は壁に寄りかかって言った。