蒼いパフュームの雑音



ある日の朝。
珍しく早く目覚めたので、京果の店に行くことにした。


準備をしていると、懐かしい番号から着信があった。

(今なら言える。ちゃんと聞かなくちゃ。)

「もしもし?」
「あっ!えー、…げ…元気?」
「…うん、まぁ元気。そっちは?」





電話の相手は柊だった。
大阪での一件があってから、一切連絡は取っていなかった。
何度もメッセージや着信があったが、電話に出ることもメッセージを開くこともしなかった。

だけど私の中に居る、緋色の存在が大きくなった今、柊と中途半端な状態なのが嫌だった。


「げ、元気だよ。つーか、何で電話出なかったんだよ。」

柊は最初の声のトーンから低くなり、少し寂しげな声で言った。


「ちゃんと話したい。私がどうして連絡をしなかったのか。」
「え……うん。オレもちゃんと聞きたい。」
「今日って夜中、リハ?」
「夜中にリハ終わるよ。」
「軽く会えない?」


柊の声は動揺したように感じた。
多分、私の口から会おうとゆう言葉が出てくるとは思っていなかったのだろう。

私は柊のリハーサルスタジオの近くにある居酒屋で待ち合わせをした。

(これでやっと綺麗さっぱりできるかな。)
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