不思議能力連続日記(1話読みきり短編)
音楽プレイヤーから漏れた音でもないみたいだった。


「えっ! もしかして……聞こえ……た?」


信じられない、といった表情のまま、彼はフェンスから飛び下りた。

そのまま私の目をじっと見て、近寄って来る。

凛々しい眉毛の下に、キリリと理知的な瞳。


「はい。聞こえ……ました」


私は急に近寄ってくる知らない男の人の存在に緊張して、口の中でごにょごにょと答える。


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