不思議能力連続日記(1話読みきり短編)
「助けてもらったお礼をします。手を出して」


そういうわけで冷静じゃない私はナメクジに言われるがまま右手を差し出す。


「両方」


ナメクジは偉そうに語調を強めた。


「むむむむーん! はい、できた」


ナメクジはそう言うとまた左右に揺れた。

明らかに軽~く適当に言っただけっぽい口調にちょっと拍子抜けする。


「あなたはこれでオナラをする度に本音を言うことができます。良かったですね」

「え……どういう意味?」


オナラをする度に本音?何?


「あれ? 私の言葉おかしいですか? オナラは知ってます?」


ナメクジは動きを止めた。
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