美しいだけの恋じゃない
案の定、数十秒後には二車線の大通りへと出る事ができ、道路の向こう側にコンビニを見つける事ができた。


車の往来はさほどないので、信号まで行かずにそこで横断してしまった。


「いらっしゃいませー」


店員の声に迎えられながら、まっすぐレジ正面にある棚へと向かうと、そこに並べられていたガムを適当に選んで手に取り、すぐさま会計した。


精算後、外に出てからシールだけ貼られたガムを鞄に仕舞い、手渡されたレシートに印字されている住所、つまり現在地を確認する。


自分のアパートから比較的近い地域だった。


正確な距離は分からないけれど、一駅隣、といった所。


でも、そこは別に驚くような事ではない。


先ほどまでいたあの部屋はいかにも単身者向けで、通勤に便利なように一人暮らしをしているのだろうから、あまりにも会社から離れていては意味がない。


だから同じ職場の同僚と、住居が近くなるのはごく当たり前の事だろう。


ついでに時刻も確認すると、00:02と印字されていた。


ここから最寄駅までのルートや最終の時刻を調べたりするのが面倒だったし、そもそもこれ以上慣れない夜道を移動する気力もなかったので、大人しくタクシーを呼ぶ事にした。


ケータイでやり取りを済ませ、思わず『ふぅ…』と息を吐きながら、視線を上げ、周囲の状況に目を配る。
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