美しいだけの恋じゃない
「ちゃんと、避妊具を使用したかどうかってこと?」

「は、い…」

「もちろんそうしたよ」


門倉保は力強く返答した。


「それを疎かにしたりしたら、精神的にも肉体的にも女性の方に多大なる負担をかける事になるから」


しかし、すぐに『ふっ、』と自嘲気味な笑みを浮かべて続ける。


「…って、酔って前後不覚になっている子に手を出しておいて、全然説得力がないんだけど…」


それに対して私は何もコメントできなかった。


「ただ…」


そして彼は再び歯切れの悪い口調で語り出す。


「それで百パーセント確実に避妊できたかどうかと問われたら、申し訳ないけど、保証はできない。その……製品の品質に問題はなくても、扱う側のミスで本来の機能を果たせない状態にしてしまっている場合もあるから…」

「そ、そんな…」

「もしかして…。女性に毎月あるものが、遅れていたりするの?」


核心を突いた質問に一瞬フリーズした後、私はコクりと頷いた。


「そっか…」

「まだ、結果は、定かではないんですけど…」


どうしようもなく声が震えてしまう。


「つまり、病院にはまだ行っていないということ?」

「はい…。まずは自分で、調べてみてからにしようと思って…」

「妊娠検査薬ってやつで?」

「そう、です」

「うーん…」


小さく唸ってから、門倉保は考え考え言葉を紡いだ。
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