美しいだけの恋じゃない
お互いに足の速度を早めたので、すぐに至近距離まで近付いた。


「休んだら、すっかり回復しました」

「そっか。良かったー」

「でも、2時間も抜けてしまっていたみたいで…。すみませんでした」

「いやいや、別にそれで何か迷惑を被った訳ではないし」

「そうそう。具合が悪かったんだから仕方ないよ」

「須藤さんいつも優先順位を考えて動いてるもんね。多少中座しても仕事には影響ないでしょ?」


一旦立ち止まってしまっていたけれど、再び誰ともなく歩き出し、そのまま4人で営業部を目指す。


「ところで、ポットのお湯なんですが…」


本来はお茶当番の私が15時前に確認しておかなければいけなかったんだけど…。


「佐藤さんが補充しに行ってくれたよ」

「あ、本当ですか?」

「うん」

「助かります。ありがとうございました」

「いいっていいって。困った時はお互い様」


菅原さんの回答を受けて佐藤さんにお礼を述べると、陽気にそう返してくれた。


「で、私達、今から休憩だから、医務室に顔出しに行こうと思ってたんだよ」

「3人でタイミングを合わせたのよね。ただ、私が色々やる事があって、ちょっと遅くなっちゃったんだけど…」

「でも結局その必要はなくなりましたね。入れ違いにならなくて良かった」

「す、すみません…」


貴重な休息時間を私なんかの為に使わせてしまって…。
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