美しいだけの恋じゃない
今日は私がトップバッターだったので桶の中に漂白液を作るという工程を経てから布巾を浸し、18時まで引き続き仕事をこなす為に部署へと戻る。
門倉保の電話のやり取りはすでに終わっていた。
端末のディスプレイを見つめ、何やら熱心に入力している姿を視界の端に納めつつ席に着く。
「ちょっと良いかしらー?」
定時間際、着手していた業務をキリの良い所で終わらせ、残りの時間はシュレッダーかけをしようと、破棄予定の書類やメモが入っている足元の専用ケースを手に椅子から立ち上がった所で、出入口付近から女性の声が響いて来た。
その時点ですでに正体に気付いていたけれど、視線を向けると案の定、来客応対用のカウンター越しに、庶務課の金子さんが見るからに不機嫌そうな表情で佇んでいる姿が見て取れた。
「営業一課の今週のお茶当番て誰なの?」
「あ…」
ケースを元の位置に置き、彼女に近付きながら返答する。
「あの、私ですが…」
金子さんはジロッとこちらを睨みつけつつ、手に持っていた紙袋をバン!とカウンター上に置いた。
「どういうことよ?」
「え…?」
「中に伝票が入っていなかったんだけどっ」
一瞬意味が掴めず、大いに混乱したけれど、その袋は数時間前に庶務課に持って行った物である事をまず認識し、そして「伝票が入っていない」という言葉と繋がって、遅ればせながら彼女の怒りの理由が分かった。
門倉保の電話のやり取りはすでに終わっていた。
端末のディスプレイを見つめ、何やら熱心に入力している姿を視界の端に納めつつ席に着く。
「ちょっと良いかしらー?」
定時間際、着手していた業務をキリの良い所で終わらせ、残りの時間はシュレッダーかけをしようと、破棄予定の書類やメモが入っている足元の専用ケースを手に椅子から立ち上がった所で、出入口付近から女性の声が響いて来た。
その時点ですでに正体に気付いていたけれど、視線を向けると案の定、来客応対用のカウンター越しに、庶務課の金子さんが見るからに不機嫌そうな表情で佇んでいる姿が見て取れた。
「営業一課の今週のお茶当番て誰なの?」
「あ…」
ケースを元の位置に置き、彼女に近付きながら返答する。
「あの、私ですが…」
金子さんはジロッとこちらを睨みつけつつ、手に持っていた紙袋をバン!とカウンター上に置いた。
「どういうことよ?」
「え…?」
「中に伝票が入っていなかったんだけどっ」
一瞬意味が掴めず、大いに混乱したけれど、その袋は数時間前に庶務課に持って行った物である事をまず認識し、そして「伝票が入っていない」という言葉と繋がって、遅ればせながら彼女の怒りの理由が分かった。