美しいだけの恋じゃない
「いやいや、こんな細切れで形が全部均等のもの、繋ぎあわせるのは至難の技だろう?それぞれ違う形で、それがヒントになっているパズルとは勝手が違うと思うよ」

「あ、確かそれを簡単にやり遂げられるソフトがあるのよね」


そこで田中さんがふと思い出した様子で言葉を発した。


「紙片をスキャナして画像データをパソコンに取り込むと、あとはそのソフトが判断してチャッチャと紙片を組み合わせてくれるのよ。刑事物か事件物か、とにかくミステリー系のドラマで見たわよ、確か」

「あー…。確かに、そういうのがあるっていうのはどこかでちらっと目にした覚えはあるけど、現時点でウチにはないからなぁ。それに、結構高価で個人が簡単には入手できなかったような…」

「気軽に利用できて悪用されたりしたら困りますからね」

「でも、とにかく実在はするって事ですよね。その気になればそういうツールも使えると」

「まぁとりあえず、今回は私がアナログ作戦で挑んでみますよ」

「良いんですか?金子さん」


本筋から少し脱線してディスカッションしていた部長、井上主任、田中さんに佐藤さんがそう宣言した所で、門倉保が問い掛けた。


「佐藤さんが伝票を復元してしまったら、もう言い逃れはできませんよ。情状酌量を求めるなら、今のうちに自白しておいた方が賢明だと思いますけど」
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