美しいだけの恋じゃない
いつになく真剣で威圧的な門倉保の表情、語り口に、何となく皆無言になった。
「………私が、やりました…」
かなりの間を置いてから、観念したように金子さんがカミングアウトする。
そこで門倉保にではなく、部長に向けて口を開いたのは、やはりこの場の年長者を立てておこうと考えたからだろうか。
「私が、伝票を抜き取って、シュレッダーにかけました…」
「なぜそんなことを」
「だってこの子が私達を、バカにしたって聞いたから!」
部長の戸惑い気味の質問に、金子さんは怒り心頭で返した。
「ベテランのくせにそれに見合うスキルはないし、いっつも他人の下らない噂話ばかりしてるって!そうよね?礼子っ」
「え」
「そ、それだけじゃなくて、過去にも『庶務課は会社の雑用係で大した仕事はしていない』だの、『営業二課はその字のごとく、しょせん営業部の二軍』とか、言ってたらしいですよ!」
そこで、ずっと発言していなかった山本さんも参戦する。
「大人しそうな顔して、とんでもない腹黒女ですよね!?浩美が怒るのは無理ないですよ!」
「それで今日、伝票に須藤さんの名前を見つけて、思わず頭に血が上ってしまって…」
金子さんの声と体は震え出し、みるみるその揺り幅が大きくなって行く。
「皆の前で、思いっきり、恥をかかせてやりたくなったんです!」
そして両手で顔を覆い、わーっと泣き出した。
「………私が、やりました…」
かなりの間を置いてから、観念したように金子さんがカミングアウトする。
そこで門倉保にではなく、部長に向けて口を開いたのは、やはりこの場の年長者を立てておこうと考えたからだろうか。
「私が、伝票を抜き取って、シュレッダーにかけました…」
「なぜそんなことを」
「だってこの子が私達を、バカにしたって聞いたから!」
部長の戸惑い気味の質問に、金子さんは怒り心頭で返した。
「ベテランのくせにそれに見合うスキルはないし、いっつも他人の下らない噂話ばかりしてるって!そうよね?礼子っ」
「え」
「そ、それだけじゃなくて、過去にも『庶務課は会社の雑用係で大した仕事はしていない』だの、『営業二課はその字のごとく、しょせん営業部の二軍』とか、言ってたらしいですよ!」
そこで、ずっと発言していなかった山本さんも参戦する。
「大人しそうな顔して、とんでもない腹黒女ですよね!?浩美が怒るのは無理ないですよ!」
「それで今日、伝票に須藤さんの名前を見つけて、思わず頭に血が上ってしまって…」
金子さんの声と体は震え出し、みるみるその揺り幅が大きくなって行く。
「皆の前で、思いっきり、恥をかかせてやりたくなったんです!」
そして両手で顔を覆い、わーっと泣き出した。