美しいだけの恋じゃない
「実は私達……私と佐藤梢は3年前から付き合っておりまして、つい最近婚約いたしました」
「えっ」
「そして11月に入籍を予定しています」
「ええー!」
再び室内が騒然となる。
「な、なんだなんだ。今日は次から次へと」
「衝撃の告白大会ですよねー!」
だけど、皆さんの表情は驚きから徐々に満面の笑みへと変わって行き、空間内にはこの上ないお祝いムードが漂い出した。
「何よそれ!」
だがしかし。
「そんなの私聞いてない!」
それを打ち破るように、相反する声音で、悲痛な面持ちで、師岡さんが井上主任に向かって叫ぶ。
「え?はい。皆さんに余計な気は使わせないように、ずっと秘密にして来ましたから…」
彼はパチパチと高速で瞬きを繰り返しながら不思議そうに返答した。
「特に師岡さんとは、ただの職場の先輩後輩という間柄で、プライベートなお話をするような関係ではありませんし。知らないのは当然だと思いますよ?」
私と同様、田中さんと門倉保のように以前から師岡さんの気持ちに気付いていた人、そして今の言動で察しがついた人達は全員、井上主任の天然ぶりに度肝を抜かれたことだろう。
今まで師岡さんには色々と不愉快な目に遭わされて来たけれど、これに関しては、さすがにちょっとだけ、同情してしまった。
佐藤さんでさえ微妙な表情で隣の井上主任を見つめている。
「えっ」
「そして11月に入籍を予定しています」
「ええー!」
再び室内が騒然となる。
「な、なんだなんだ。今日は次から次へと」
「衝撃の告白大会ですよねー!」
だけど、皆さんの表情は驚きから徐々に満面の笑みへと変わって行き、空間内にはこの上ないお祝いムードが漂い出した。
「何よそれ!」
だがしかし。
「そんなの私聞いてない!」
それを打ち破るように、相反する声音で、悲痛な面持ちで、師岡さんが井上主任に向かって叫ぶ。
「え?はい。皆さんに余計な気は使わせないように、ずっと秘密にして来ましたから…」
彼はパチパチと高速で瞬きを繰り返しながら不思議そうに返答した。
「特に師岡さんとは、ただの職場の先輩後輩という間柄で、プライベートなお話をするような関係ではありませんし。知らないのは当然だと思いますよ?」
私と同様、田中さんと門倉保のように以前から師岡さんの気持ちに気付いていた人、そして今の言動で察しがついた人達は全員、井上主任の天然ぶりに度肝を抜かれたことだろう。
今まで師岡さんには色々と不愉快な目に遭わされて来たけれど、これに関しては、さすがにちょっとだけ、同情してしまった。
佐藤さんでさえ微妙な表情で隣の井上主任を見つめている。