美しいだけの恋じゃない
当然の事ながら、そんな狂気じみた今の自分の心情、そこに至るまでの詳細な経緯を母親に告白などできる訳もなく、『お正月の時に話したように、毎日コツコツと頑張っている』『ゴールデンウィークにでもまた帰郷するつもり』という内容を書き込み、送信した。
用の済んだケータイを鞄の外ポケットに戻し、ため息をつきながら再び便座に腰かけた所で、突然、出入口のドアが勢い良く開かれる。
「あ、ホントだー。ガラガラじゃん」
「でしょー?」
「なんだ。3階のトイレじゃなくて、最初からこっちに来れば良かったねー」
間髪入れず、複数の足音と賑やかな声が響き渡った。
「そんじゃ、口紅塗り直そうかな。イマイチ仕上がりに納得いってなかったんだよね」
「あ、私も髪の毛縛り直そっと」
「じゃあその間に、一件メールしちゃってもいい?」
その聞き覚えのある声に、思わず体がフリーズする。
よりにもよって彼女達にここの存在を気付かれてしまったか…。
今までずっとかち合わないように細心の注意を払っていたというのに。
それでなくても底辺をさ迷っていたメンタルが、さらに下降線を描くのが分かった。
静寂を破ったのは、朝、更衣室でいざこざのあった師岡さんと、二課の山本さん、そして彼女達と同期であるという、庶務課の金子さんという方だった。
用の済んだケータイを鞄の外ポケットに戻し、ため息をつきながら再び便座に腰かけた所で、突然、出入口のドアが勢い良く開かれる。
「あ、ホントだー。ガラガラじゃん」
「でしょー?」
「なんだ。3階のトイレじゃなくて、最初からこっちに来れば良かったねー」
間髪入れず、複数の足音と賑やかな声が響き渡った。
「そんじゃ、口紅塗り直そうかな。イマイチ仕上がりに納得いってなかったんだよね」
「あ、私も髪の毛縛り直そっと」
「じゃあその間に、一件メールしちゃってもいい?」
その聞き覚えのある声に、思わず体がフリーズする。
よりにもよって彼女達にここの存在を気付かれてしまったか…。
今までずっとかち合わないように細心の注意を払っていたというのに。
それでなくても底辺をさ迷っていたメンタルが、さらに下降線を描くのが分かった。
静寂を破ったのは、朝、更衣室でいざこざのあった師岡さんと、二課の山本さん、そして彼女達と同期であるという、庶務課の金子さんという方だった。