美しいだけの恋じゃない
「えっと…。今居るのは秘書課長の川村さんと人事課係長の宇賀神さん、総務課長の赤坂さんと…」
「経理部長の澤田さん。確か彼女が一番年長だよね。52、3才だったっけか?」
「うん。残りの三人は40代」
「見事に全員管理職だよねー」
「女でもその地位に就けるくらいの仕事の虫だったから、ここまで生き残る事ができたんでしょ。あの年代が入社した頃は『女はある程度の年数勤めたら寿退社するのが当たり前』っていう暗黙の了解が蔓延ってて、尋常じゃないプレッシャーの中、それをはね除けて居座り続けたんだろうから」
「私達が入った頃だってまだまだそういう風潮だったじゃん。まぁ、社内でそういう事をダイレクトに口にするようなのはいなかったけど、世間一般の考え方としてさ。20代後半の頃が最悪だったよね。同窓会だの親戚の集まりだの、肩身が狭かったよ」
「ホントホント。つまり私らだってそういう時代を乗り越えてここまで頑張って来た戦士なのに、会社側は全然評価してくれないよねー。しかも後輩はどんどん生意気な奴が増えて行くしさー」
「あ、生意気と言えば」
元々興奮気味だったけれど、そこで師岡さんはさらにエキサイトして言い放った。
「ほんっとムカつくわー。須藤美智瑠!」
その発言にギクリとするのと同時に『ああ、やっぱり…』と思う。
「経理部長の澤田さん。確か彼女が一番年長だよね。52、3才だったっけか?」
「うん。残りの三人は40代」
「見事に全員管理職だよねー」
「女でもその地位に就けるくらいの仕事の虫だったから、ここまで生き残る事ができたんでしょ。あの年代が入社した頃は『女はある程度の年数勤めたら寿退社するのが当たり前』っていう暗黙の了解が蔓延ってて、尋常じゃないプレッシャーの中、それをはね除けて居座り続けたんだろうから」
「私達が入った頃だってまだまだそういう風潮だったじゃん。まぁ、社内でそういう事をダイレクトに口にするようなのはいなかったけど、世間一般の考え方としてさ。20代後半の頃が最悪だったよね。同窓会だの親戚の集まりだの、肩身が狭かったよ」
「ホントホント。つまり私らだってそういう時代を乗り越えてここまで頑張って来た戦士なのに、会社側は全然評価してくれないよねー。しかも後輩はどんどん生意気な奴が増えて行くしさー」
「あ、生意気と言えば」
元々興奮気味だったけれど、そこで師岡さんはさらにエキサイトして言い放った。
「ほんっとムカつくわー。須藤美智瑠!」
その発言にギクリとするのと同時に『ああ、やっぱり…』と思う。