シチリア


「………っ、ばかばかばか!!ジャンのバカああぁぁっ!!!」
「うわっ」

勢い良く飛びついてきたエマもろとも、後ろにひっくり返る。

「エ、エマ」
「……キスして」
「は?」

注目を浴びている周囲の視線など気にせず、僕に馬乗りになったまま、エマはわざとらしく唇を突き出してくる


「やめなさい」
「…んぐっ」

エマの顔をつかんで、押し返す。


不可抗力とは言え、白昼堂々なにをいちゃついてるんだ。と言う周りの視線に耐えかね、僕は一目散に店を逃げ出ようとする


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