キミの首輪に、赤い糸を。

「ズルくならなきゃ」

「かーずさ」

「ん、あぁ唯か。なに?」

「いや、やけにボーッとしてるなあ、と思って」

「そう?」

「うん。悩み事?」

「いや、別になんでもないよ」


学校に行ってもやっぱり考えちゃうのは二人のこと。

授業なんて聞いてられない。
まぁ、聞いてないのはいつものことだけど。


「嘘だー。真白くんのことでしょ?この前急に出てっちゃったし」

「あー、うん。まぁ、そんな感じ」


そんな曖昧な返事をして、また考える。

真白が記憶を取り戻すのが一番の近道。
だけど、記憶を取り戻したらどうなる?

真白は、苦しむんじゃない?

最善策なんて、思い浮かばない。
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