キミの首輪に、赤い糸を。
「じゃあ、リョウ。帰ろうよ」

「...何だよ、急に」

「...帰ろ」

「はぁ...なんだよ。俺になんか用があるなら言えよ」


真白は如月さんの口調に動じない。


「...ちゃんと、教えてほしくて」

「何を」

「...僕らの、関係。僕らが、兄弟だってこと」


真白のその言葉に、如月さんも私も驚いた。


「...聞いてたのか?」

「うん。寝たふりしてた」

「寝たふりが上手いんだな。寝たふりして盗み聞きとは、良い趣味だな」

「ズルくならなきゃ、何も知らないままだと思って」


真白は、いつそんなことを覚えたんだろう。

元から持ってた?
そんな、黒さを?
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