キミの首輪に、赤い糸を。
「...あれ、真白?」


さっきから、真白はなにもはなさず、後ろをついてくるだけ。

少し心配になった。


「真白?どうかしたか?」


如月さんの問いかけに、真白は顔を上げた。


「...あの時も。いや、あの頃はいつも」

「ん?」

「...いつも、あんな風に盾になって守ってくれたよね」

「真...白...?」

「すごく、頼りにしてた。すごく、辛かったし苦しかったけど、笑ってくれるだけで救われる気がしてた」


真白はなつかしそうに、そう言って、如月さんの目を真っ直ぐに見つめた。


「...ただいま、お兄ちゃん」
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