キミの首輪に、赤い糸を。
「...思い、出したのか?」

「うん、やっと。今までごめんね。一人で辛い思いさせて。でも、これからはちゃんと、はんぶんこしよ」


はんぶんこ。

その言葉を聞いて、如月さんは嬉しそうなような困ったような、そんな顔をした。


「...いや、真白...全部思い出したんだろ?だったら...だったらなんでそんなこと言うんだよ」

「なんでって...?」

「俺は...お前を裏切ったんだぞ?」


裏切った?

如月さんが、真白を?


「...うん。それも思い出したよ。あの時は、すごく辛かった」


真白はそう言って空を仰いだ。


「...あの、裏切ったって...?」


私がそう聞くと、真白は私の方を見て微笑んだ。


「和咲にはたっくさん迷惑かけたし、隠し事はズルいよね。だから、教えてあげるよ。ね、いいでしょ?お兄ちゃん」


真白の問いに、如月さんは何も言わず頷いた。



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