キミの首輪に、赤い糸を。
でも、少し考えて思った。

僕が来る前は、お兄ちゃんも一人だったんじゃないかなって。

この部屋で、お兄ちゃんは一人ぼっちだったんじゃないかって。


「お兄ちゃんは、寂しくないの?ずっと、一人だったんでしょ?」


僕がそう聞くと、お兄ちゃんは不思議そうに僕を見た。


「これからは、僕が一緒にいる。だから、お兄ちゃんも寂しくないよ」


本当は、僕が寂しかった。
でも、きっとお兄ちゃんも寂しかったはずだから。
だから、一緒にいるって約束をした。


「寂しくなんかねぇよ。...でも、お前のことは俺が守ってやる」


そして、お兄ちゃんは初めて返事をしてくれた。

初めて聞いた声は、僕より低くて、優しくて、頼れる声。

お兄ちゃんの声、好きだな。

何から守ってくれるのかは分からないけど、お兄ちゃんと一緒なら、大丈夫な気がした。
< 180 / 231 >

この作品をシェア

pagetop