キミの首輪に、赤い糸を。
「お、俺もさ、死にたいとか思うときあんだよ。例えば...えーっと...ほら、あれ...あ、朝、眠いときとか」


バカかこの人は。

そんなことと一緒にすんなよ。

そう思ったけど、俺はおかしくて笑ってしまった。


「ん、あれ?元気になったか?」


その男性は俺のことを見て子どものように笑った。


「バカバカしすぎて」

「おい、大人にバカとか言っちゃダメなんだぞ」

「俺より子どもに見えますけどね」

「うるせーよ」


バカみたいなやり取り。
バカみたいな励まし方。

バカな俺は、この人と話してるだけで死ぬことがバカらしく思えてきた。

こんなに笑ったのはいつぶりだっけ。
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