キミの首輪に、赤い糸を。

「俺はお前の...」

その日から、俺はその人と仲良くなってしまい、その人にお世話になることにした。

その人のマンションにお邪魔して、家賃も生活費も払ってくれた。

その人も俺も料理が下手だからいつも買って帰る。
だけど、洗濯と風呂掃除と...とまぁ、その他の家事の大体は俺が担当。

というのも、その人は驚くほどに不器用だったから俺が自ら引き受けた。


「なぁ、俺も働きたいんだけど」

「は?働く?」


そして俺は、ある日提案をした。


「なんでだよ」

「さすがに何もかも払わせっぱなしじゃ悪いし」

「家のことやってくれてんだからそれでいい」

「...いいじゃん。そろそろバイトとか経験するべきだって」

「じゃあ、どこで働きたいんだよ」

「...アンタが働いてるとこ」
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