キミの首輪に、赤い糸を。
その言葉に、その人は驚いたようで、「はぁ!?」と俺の顔を覗き込んだ。


「な、なんだよ」

「高校生でホストじゃねぇだろ、バカ」

「えー、でも楽しそうじゃん」

「大体働かせてもらえねぇぞ、多分」

「頼むって。一生のお願い」

「お前の一生のお願いはリアリティーありすぎて怖いんだよ」


その人はハァ、と一つ溜め息を吐き、「聞いてやるから死ぬなよ」と真面目な顔で言った。


「今のところ死ぬ気はないよ」


アンタと出会ってしまったし。
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