キミの首輪に、赤い糸を。
「えぇっと、意味がよくわからないんですが...」

「えぇ。突然そんなことを言われても、戸惑いますよね」


如月さんも、困ったように言う。


「ですが、真白のために、こうしてやりたいんです。もちろん、貴女に迷惑がかかることも承知しています」


私と如月さんが黙り込んでしまうと、真白という男の子は、私の袖をきゅっと少し引っ張った。


「あ、の...僕のこと、いないものとして扱ってもらって構わないから...だから...」


熱がまだ少しあるから、言葉は少し舌足らずだった。


「お願い...ここに、いさせて...?」


可愛い、けどさ...。
でも、さすがに他人の男の子と住むっていうのはやっぱり抵抗あるし...。


「では、こうしませんか?一週間、仮期間として真白を預かっていただく、というのは」


一週間、か。


「その間にもし何かあれば、私がすぐに真白を引き取ります。そして、もしも真白を置いておくことを貴女が許可してくだされば、期間は延長、ということで」


一週間、他人の男の子と同居?
でも、その間に嫌になれば如月さんに言えばいいわけだし。

ちらっと男の子の方を見ると、私をじっと見つめている。

嫌、なんて言えない...。


「...分かりました。一週間預からせてもらいます」


私の言葉に、二人の表情が明るくなる。


「ありがとうございます!では、これから真白の説明をさせていただきます」


如月さんはそう言って、私の方に向き直った。
< 20 / 231 >

この作品をシェア

pagetop