キミの首輪に、赤い糸を。
「まず、先ほども言った通り、彼の名前は真白。過去の記憶を一部失っているため、名字は覚えていません。ちなみに年齢は16歳。そして、彼は作曲活動を行っています。活動は休止しているのですが、作曲は彼の趣味でもあるため、彼が住むところにはギターが必要です。貴女のお部屋にギターの持ち込みは可能ですか?」

へぇ、同い年なんだ。

それとギターの持ち込みか...。
確かうちのマンション、防音だったよね?


「大丈夫だと思います」

「それならよかったです。彼がギターを弾くことを、許可して頂けますか?」

「はい」

「ありがとうございます」


淡々と進んでいく話に、私は頷きながら聞いていた。


「真白には食物アレルギーなどはありません。食べ物にそのことで気遣っていただく必要はありません」

「分かりました」

「あと、真白には少し放浪癖があります。しかし必ず帰ってきますので、ご心配なく。もし気になるようでしたら、こちらを」


そう言って如月さんはGPSを取り出した。


「えっ...」

「真白の首輪にはGPS機能がついていますので、こちらをお使いください」

「わ、分かりました...」


GPSまでついてるんだ...。
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