キミの首輪に、赤い糸を。
ご飯を食べ終わり、入浴も済ませ、寝る時間になった。


「僕、ここで寝る!」


そう言って真白が寝転がったのは、さっきまで横になっていたソファだった。


「ソファでいいの?」

「うん!和咲のソファ、ふわふわで好きだから」


真白がそれでいいならいいけど、なんか意外。

ソファがいいなんて、あんまり無いと思うし。


「じゃあ、おやすみ、真白」

「うん。おやすみ、和咲。ありがと」


なんでこのタイミングでお礼?


「ねぇ、なん...」


なんでありがとうなの?と聞こうとしたけど、すでに真白は夢の中だった。


「早いよ、もう」


真白の顔は、人形みたい。
雪みたいに透き通ってて、目も大きいし、睫毛も長い。

同い年で、しかも男だなんて。

なんか、劣等感あるんですけど...。

そう思いながらも、真白に嫉妬なんか出来ない。
それはきっと、真白がいい子だからなんだろうけど。

私は自分の部屋に戻り、スマホを見た。

あ、唯からメッセージ来てた。


[和咲、大丈夫?風邪かなにかだったら土日でちゃんと治すんだよ!お大事に]


風邪かぁ...。

まぁ、そういうことにした方がいいのかな?


[ありがと。多分すぐ治るから心配ないよ]


明日が休日でよかった。

明日は如月さんが来るな...。
真白の荷物、一週間置けるスペース作らなきゃ。


そう思いながら、私はいつの間にか眠りに落ちていた。
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