キミの首輪に、赤い糸を。
「俺、新堂裕太!おにーさんは?」


男の子は自己紹介を始め、真白に名前を聞いた。


「僕?僕は真白だよ」

「じゃあシロにぃ!おねーさんは?」


突然振られてビックリする私。


「私?私は、時森和咲っていいます」

「じゃあ和ねぇって呼ぶ!」


シロって...なんかほんとに犬みたい...。
そう思うと、少しおかしくて笑ってしまった。


「なんかシロって可愛いね」

「だろ!」


裕太くんは得意気に笑う。
その笑顔はキラキラしてて、子どもらしくて可愛い。


「シロにぃ、和ねぇ、また会えたら遊ぼうな!」


その約束に、真白は一瞬戸惑いを見せた。
ここにいるのは、一週間っていう約束だから。


「...うん。また、会えたら!」


真白は少し困ったような表情をしていたけど、裕太くんに見せた表情は笑顔だった。

裕太くんは真白の返事に満足げに頷き、サッカーボールを手に走っていった。

その先には、裕太くんのお父さんらしき人。
二人でサッカーしてたのかな。


「...裕太くんには会えるか分かんないけど、返事はあれでよかったんだよね...?」


少し寂しげに言う真白。
私は迷いながらも、頷いた。
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