瞳の奥の真実
 そう言って笑った私の顔をのぞく美優ちゃん。

「泣いてるの?」

 なぜか涙があふれた。

「ヤダ、かき氷落として泣くって、子供じゃないんだから」

 笑いながら頭をなでてくれる美優ちゃんに抱き付いた。

「5百円もしたのに~」

 ごめんね美優ちゃん、そんなことで泣いてるんじゃないんだけど、今だけはそう言う事にしておいて。

 笑いながら慰めてくれる美優ちゃんを、ものすごく裏切っている気持になった。
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