鬼社長のお気に入り!?
「だめ、こんなんじゃオーソドックスすぎる」


「……はい」


 前向きに考えて自身を奮い立たせたはいいが、やはり八神さんは八神さんだった。


「杉野さん、大丈夫? 八神さん厳しいけど、本当はいい人だから」


 同じ事務所で働くデザイナーは口を揃えて「本当はいい人」というが、いったいどこをどう見ればいい人に見えるのか詳しく教えて欲しい。とにかく八神さんは私のデザインするものすべてにダメだしをし、一発でOKサインを出すことはまずなかった。


 なんなのよぉ~嫌がらせ? いじめなのか? 八神め~。


 私はデスクに戻ってリテイクされたデッサンを忌々しく睨みながら拳を握った。
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