鬼社長のお気に入り!?
「まぁ、これじゃだめだと思いながらも抜け出せないことってあるし、そういう気持ちは誰にでもあるもんだろ?」


 私が桐生さんのことを心の中ではこのままじゃいけないってわかっていながら毒されてたみたいな心境を思い出すと、八神さんの言っている意味がよくわかる。


「そう、ですね……あると思います」


「あのソニックビューティーだって、元のデザイナーはお前だろ?」


「え……?」


 運転しながら進行方向を見ていた八神さんの視線がちらりと私に向いた。


「デザインにはその人の癖のようなものが出る。よーく見ないとわからないが、お前のデザインは全体的に柔らかくて曲線が多い、だから女性受けする」


 八神さんはそう言ってガムを口へ放った。


 見ていないようで見ているんだな……。
< 132 / 367 >

この作品をシェア

pagetop