鬼社長のお気に入り!?
「なんだお前、へこんでんのか?」


 帰りの車の中、私は武川ファニチャーからいい返事がもらえなかったことで落ち込んでいた。八神さんが隣にいなければ泣き出してしまいそうなくらいに。


「私のデザインは見当違いのものだったのでしょうか……?」


「さぁな」


 ムッ、「さぁな」って……まるで他人事みたいじゃない。そんな冷たい返事しなくても――。って、こういうところが私のだめなところなんだろうな。


 こんな時、優しい言葉をかけてもらいたい。でも、八神さんは何ひとつ私を甘やかすようなことは言わなかった。


「もう一度先方とよく話しをすりあわせてからやり直せ」


「……はい」


 気分的にも沈んでいたが、打ち合わせが終わってから急に頭も痛いし悪寒もしてきて、事務所に着いた時にはかなりふらふらな状態になっていた。
< 140 / 367 >

この作品をシェア

pagetop