鬼社長のお気に入り!?
「ふぁ……眠たくなってきた」


 八神さんはあくびをすると黒縁の眼鏡を煩わしそうに外してヘッドボードに置いた。


 たった今「守る」って言ったじゃない~、ここは慰めの言葉のひとつやふたつ――。


「八神さん? あの、私は好きでここにいるんじゃ――」


 向き直ると、八神さんはいつの間にか静かな寝息を立てて夢の中へ行ってしまったようだ。


「……もう」


 セットをくずした髪型のせいか、八神さんの寝顔はあどけなく感じる。黙っていればいい男なのに本性はあわれみも、思いやりもない無慈悲な男。そんな男に私は振り回されている。
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