鬼社長のお気に入り!?
午後になってくると私のむくんだ顔も腫れぼったい目元も幾分かマシになってきた。八神さんが婚約したことがこんなにも引きずるなんて思ってもみなかったが、今自分の目の前にあるのは任された仕事だ。それをまずこなさなければならない。
そう気合いを入れて仕事に取り掛かろうとした時だった。私の出鼻をくじくように一本の外線がかかってきて渋々その電話に出た。
「もしもし、ジークスデザイン事務所の杉野が承ります」
『あ、あの……私』
「はい?」
電話に出るとおっかなびっくりした声がして、仕事の電話じゃなさそうだと直感した。
『飯田と申しますが、蓮ちゃ――八神は今、そこにいますか?』
蓮ちゃ――って、蓮ちゃんって言おうとしたのかな? 蓮ちゃんって、蓮司……八神蓮司――!?
そう気合いを入れて仕事に取り掛かろうとした時だった。私の出鼻をくじくように一本の外線がかかってきて渋々その電話に出た。
「もしもし、ジークスデザイン事務所の杉野が承ります」
『あ、あの……私』
「はい?」
電話に出るとおっかなびっくりした声がして、仕事の電話じゃなさそうだと直感した。
『飯田と申しますが、蓮ちゃ――八神は今、そこにいますか?』
蓮ちゃ――って、蓮ちゃんって言おうとしたのかな? 蓮ちゃんって、蓮司……八神蓮司――!?