鬼社長のお気に入り!?
「私は元気してるよ、なんとかね……新しい会社でもまぁ、怒られながらだけどうまくやってるし、それにやっぱり転職してよかったよ。今ね、食品会社のパッケージデザインを任されててさ、桐生電機にいた頃と全然違うの」


『そっか、愛理がうまくやってるならいいんだ』


「美智……?」


『も~たまには私にもメールくらいしなさいよね! ごめんね、もう行かなきゃ』


「あ、うん」


 なんだか自分のことだけを話して終わってしまったような気がする。きっと美智はなにか私に言いたかったに違いない。


 今夜あたりにまたメールしてみようかな――。


 美智が何を言いたかったのか気になりつつ、私は仕事に戻った。
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