鬼社長のお気に入り!?
 最後に帰省したのはいつだったかもうあまり記憶にない。そのくらい実家には帰っていなかったということだ。私の実家は三重にある田舎で、新幹線が通っていないためついつい帰るのも億劫になってしまっていた。実家には帰省するとまだ伝えてはいなかったが、どうせ暇を持て余しているし、いきなり帰ってびっくりさせるのもいいかもしれない。


 ふぅ~なんとか間に合ったみたい。あれこれ準備してたらギリギリになっちゃった――。


 私は荷物を置いて乗降口の列に並んだ。


 空を見上げると今日は一日中どんよりとした灰色の分厚い雲が広がっていた。すっと首元に冷たい空気を感じて小さく身震いするとスカーフに首をすくめた。
< 263 / 367 >

この作品をシェア

pagetop