鬼社長のお気に入り!?
『実はさ……デキる社員が次々に自主退社しちゃって、開発企画のエースだった上田さんも他社に引き抜かれて先週辞めちゃった』
「え……? そんな……」
『今のままの桐生電機じゃ、そりゃ行き先不安にもなるよ……桐生電機の株価も維持できなくなって、このままじゃ本当にうち潰れるかもしれない……自分の力でなんとか出来るわけじゃないし、私も自主退社を考えてるんだ』
私は桐生電機を先に辞めてしまった人間だ。美智に「頑張って」とも「このまま続けなよ」とも言えなかった。そんな無責任なこと言えるわけがない。
『あ~ごめんね、朝っぱらか暗い話ししちゃってさ、あんたんとこの会社は景気いいみたいじゃない? 頑張んなよ! 私はこれから二度寝するからさ、今度は起こさないでよね』
「う、うん、ごめんね」
そう言って電話を切ると私は思わず重い溜息をついた。
なんだか自分だけうまくいってる気がして肩身が狭かった。美智や桐生電機が他人だったらこんなにも気にはならないだろう。でも、桐生電機は八神さんにとって握りつぶしたくなるような憎い相手だ。
八神さんも美智のことも両方幸せになれる方法があればいいのに……そんなふうに考えるのは甘いのかな――。
「え……? そんな……」
『今のままの桐生電機じゃ、そりゃ行き先不安にもなるよ……桐生電機の株価も維持できなくなって、このままじゃ本当にうち潰れるかもしれない……自分の力でなんとか出来るわけじゃないし、私も自主退社を考えてるんだ』
私は桐生電機を先に辞めてしまった人間だ。美智に「頑張って」とも「このまま続けなよ」とも言えなかった。そんな無責任なこと言えるわけがない。
『あ~ごめんね、朝っぱらか暗い話ししちゃってさ、あんたんとこの会社は景気いいみたいじゃない? 頑張んなよ! 私はこれから二度寝するからさ、今度は起こさないでよね』
「う、うん、ごめんね」
そう言って電話を切ると私は思わず重い溜息をついた。
なんだか自分だけうまくいってる気がして肩身が狭かった。美智や桐生電機が他人だったらこんなにも気にはならないだろう。でも、桐生電機は八神さんにとって握りつぶしたくなるような憎い相手だ。
八神さんも美智のことも両方幸せになれる方法があればいいのに……そんなふうに考えるのは甘いのかな――。