鬼社長のお気に入り!?
はぁぁ……。憂鬱だわ。あのファイル、見なければよかった。
ヤガミ工業のファイルの内容は桐生電機に勤めていた私にはショック過ぎた。
――桐生電機は……ただ甘い汁をすすって成り上がってきた企業にすぎない
前に加納さんが私にそう言っていた。あの時はちょっとムッとしたが、今ならその意味がよく理解できる。
時刻は見るとすでに二十一時。先ほど最後まで残っていた社員が帰宅した。今は事務所に私一人しかいない。八神さんもどこか席を外しているようだ。
悶々と考えながら今朝、八神さんから頼まれていたデータ入力を打ち込む。
「なんだ、お前まだいたのか」
「っ!? や、八神さん……もう、驚かせないでくださいよ」
不意に声をかけられてびくりと肩を跳ねさせた弾みでデータ入力の手が止まる。
「あと少しで終わりますから、明日には提出できますよ」
「そ。ほら」
「うわわわっ」
八神さんに向き直った途端、急に缶コーヒーを私に放り投げられて反射的にそれをキャッチした。
ヤガミ工業のファイルの内容は桐生電機に勤めていた私にはショック過ぎた。
――桐生電機は……ただ甘い汁をすすって成り上がってきた企業にすぎない
前に加納さんが私にそう言っていた。あの時はちょっとムッとしたが、今ならその意味がよく理解できる。
時刻は見るとすでに二十一時。先ほど最後まで残っていた社員が帰宅した。今は事務所に私一人しかいない。八神さんもどこか席を外しているようだ。
悶々と考えながら今朝、八神さんから頼まれていたデータ入力を打ち込む。
「なんだ、お前まだいたのか」
「っ!? や、八神さん……もう、驚かせないでくださいよ」
不意に声をかけられてびくりと肩を跳ねさせた弾みでデータ入力の手が止まる。
「あと少しで終わりますから、明日には提出できますよ」
「そ。ほら」
「うわわわっ」
八神さんに向き直った途端、急に缶コーヒーを私に放り投げられて反射的にそれをキャッチした。