鬼社長のお気に入り!?
 メディアはこういったことには敏感だ。新作発表だったはずが、桐生電機の不正発表になってしまった。


 その原因を作ったのは私なんだけど……。


「すみませーん、桐生さん、これはいったいどういうことなのかご説明いただけますか?」


「なぜ、すでに倒産した会社の資料をお持ちなのか、それをまたどこでどうやって入手したんですか?」


 まるで獲物によってたかって食らいつくようにマスコミたちが桐生さんに次々と質問を容赦なく投げかける。桐生さんはいまだに現状を把握しきれていないようでいつまでも口を閉ざしていた。


「はぁ、もうここにいてもしょうがないな。帰るぞ」


「え? あ、待ってください!」


 くるっと背を向ける八神さんの背中を追う前に、私はもう一度ステージで呆然と佇んでいる桐生さんを見た。桐生さんはマスコミに糾弾の嵐にあっていた。そしてほんの少し、桐生さんと目があったような気がして私は慌ててイベントホールを後にした。
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